時短勤務を取ったら、給料は実際いくら減るのか。
就業規則に「勤務時間を短縮できる」とあっても、手取りがいくらになるかは書いていません。検索で出るのは育休明けの女性の体験談が中心で、男性の、金額まで書いた記録はほぼありませんでした。
だから、自分の記録を全部公開します。
この記事の結論
① 時短で手取りは662万円→510万円(▲152万円)
② それでも転職前+100万円の水準。カラクリは「住宅手当が満額」
③ 実働は月40〜60時間減、時間単価はむしろ維持
※実例は男性の僕ですが、時短の給与計算の仕組みと確認手順は性別に関係なく共通です。時短を考えているママにもそのまま使えます。
書いてる人:30代パパ/電力大手 約7年→通信大手4年目/1児の父。家計簿は2018年から自分で管理。時短勤務は2024年6月〜2025年6月、約1年間の実体験です。 詳しい経歴
結論:手取りは662万円→510万円。それでも「転職前+100万円」の水準を守れた

| フル勤務(2023年) | 時短勤務(2024年6月〜) | |
|---|---|---|
| 所定勤務 | 1日7.5時間 | 1日5時間 |
| 年間手取り | 662万円 | 510万円(▲152万円) |
※本記事の「手取り」は家計簿上の「振込額」ベースです。税・社会保険料に加え、給与天引きの全項目を差し引いた後の金額です。
年間152万円は小さくない。それでも転職前の最終年(406万円)より100万円以上高い水準を守れました。勤務は3分の2なのに減りは23%。カラクリがあります。
この記事が向いていない人
- 時短制度が無い/取れる空気が無い会社の人 →「会社を変える」話は 転職を決めた「3つの見極め」 へ
- 時短で収入を「増やしたい」人(この記事は「守る」話)
- フリーランス・自営業の人(会社員の給与制度が前提)
計算式から自分のケースを見積もりたい人 → 時短勤務で給与はいくら減る?計算式と我が家の実例
時短で「減ったもの」と「減らなかったもの」

減ったもの:基本給と賞与(勤務時間に単純比例)
所定勤務が7.5→5時間になった分、基本給と賞与はきれいに3分の2に。救済はありません。
減らなかったもの:住宅手当は満額のまま
一方、年間約100万円の住宅手当は時短中も満額。手当は労働時間に比例しない。これが「勤務3分の2なのに手取り77%」のズレの正体です。
時短のダメージは「勤務を何割減らすか」ではなく、「給与に占める固定手当の割合」で決まる。
手当が薄く残業代で稼ぐ給与構造なら、もっと減っていたはず。前の記事の「給与は制度で決まる」は、時短でも同じでした。
時間あたりで見ると、損していない
時短中も残業は月30時間ほどありました。実労働時間で割ると、こうなります。
| フル勤務時 | 時短時 | |
|---|---|---|
| 実働(残業込み) | 月170〜190時間 | 月約130時間 |
| 手取り(月換算) | 約55万円 | 約42.5万円 |
| 時間あたり手取り | 約2,900〜3,250円 | 約3,270円 |
月40〜60時間を家族に返して、時間単価は下がらなかった。「時短=損」は、時間あたりで見ると崩れます。
👉 減る月10万円超を「きつい」と感じずに受ける家計の準備は、時短勤務で給料がきつい人と、平気だった人の違い に書きました。
時短を取る前に確認する3つのこと
手順1:就業規則で「賞与の算定基準」を確認する
賞与が勤務時間に比例して減るのか、評価で決まるのか。賞与の割合が大きい会社ほど差が出ます。
手順2:手当が時短の減額対象かを確認する
住宅手当・職種系の手当が「満額のまま」か「勤務割合で減る」か。僕はこの確認で「思ったより減らない」と見通せました。
手順3:家計簿で自分の「残業代依存度」を出す
直近1年の収入のうち残業代が何%か。前職の僕は約32%で、このままなら時短は成立しませんでした。依存度が高い人は、時短の前に働き方(または会社)を変える方が先です。
つまずきやすい箇所と、その場での対処
切り出し方:時短制度は「辞めます」の後に出てきた
実は、時短を申請したのではありません。辞めるつもりで切り出したのです。2月、課長に「辞めます」。第一声は「まじかー、困るな……」。
話は上へ行き、慰留の面談で時短を提案したのは会社側でした。申請から適用まで約3ヶ月。
辞意をカードに使うことは勧めません。ただ、中途半端な相談では制度は出てこなかったと思います。「このままなら辞める」まで腹を決めたから、会社も本気の選択肢を出してきた。
「戻れるのか」問題:時短は片道切符ではなかった
時短は1年で終え、2025年7月にフルタイムへ。最初から「幼稚園に入るまでの1年」と期限を決めていたからです。現在はフルタイム・フルリモートです。
支えは、貯蓄と、最悪は別の場所で働ける手応え。「戻れる・辞められる」選択肢があれば、時短は怖くありませんでした。
いちばんの代償:昇格レースは確実に遅れる
ノーダメージとは書きません。昇格試験は同年齢より遅れ、年次が下の社員が先に受けています。
それでも「昇格の1〜2年」と「幼稚園前の1年」を天秤にかけ、後者を取りました。昇格は後からでも狙える。子どもが小さい時間は、二度と買えません。
“今”の時間は、お金に変えられない。
そのまま使える質問文例(人事・上司に聞く3つ)
「時短勤務のあいだ、賞与は何を基準に算定されますか」
「住宅手当などの各種手当は、時短でも支給対象のままですか」
「時短からフルタイムに戻す場合の手続きと時期を教えてください」
3つ目で、「戻れるのか」の不安が申請前に消えます。
次に困ること:「制度はある。でも、うちの会社で本当にやれるのか」
確認が済むと、残るのは「自分の会社でやれるのか」という見極めです。
- 会社と自分の見極め方 → 応募社数2社で内定。転職を決めた「3つの見極め」
- 数字の全根拠(家計簿8年分) → 大企業から大企業へ転職したら、手取りが1.6倍になった話
- 妻への相談のしかた(時短も転職も同じ) → 転職を妻に反対されなかった相談のしかた【実際に話した3つのこと】
また、時短前後の給与を項目別に分解した差額シート付きの完全版を準備しています。第1報はこのブログで出します。
時短の1年でいちばん覚えているのは、平日の昼間、子どもとふたりで何度も通った大きな公園です。
15時に仕事を終えて、公園、買い物、家遊び。子どもと過ごす時間は体感で3倍になり、疲れていない自分で向き合えた。深夜残業で失っていた時間を、この1年で取り戻した気がしています。
収入の設計図が描けているなら、時短は検討する価値があります。
昇格の遅れという代償も含めて——僕は、まったく後悔していません。
時短・育児のテーマで書いた記事
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